【イベントレポート】2024年4月末に開催された「Japan IT Week 2024 春」。パートナー企業9社のブースの様子をお届け／後編

「組込み／エッジコンピューティング展」についてお届けした前編に続き、後編では「IoTソリューション展」に出展した「iBASEジャパン株式会社」「ダイトロン株式会社」「アロー・エレクトロニクス・ジャパン株式会社」と、「IT運用管理＆データセンターEXPO」の「岡谷エレクトロニクス株式会社」について、それぞれのご担当社さまのコメントとあわせてお届けします。

iBASEジャパン株式会社

ネットワークアプライアンスや交通向けソリューションをはじめ、産業用コンピュータ製品の設計・製造サービスに特化した台湾発の企業「iBASEジャパン株式会社」。イベントでは産業用マザーボードや自動化アプリケーション向けパネルPCなど、現場仕様の最新機器を多数展示しており、なかにはAxellとの協業による、Intel® Core™ Ultra 7 プロセッサーを駆使したエッジAIソリューションなども展示され、ライブでその駆動を確認することができました。

「産業向けのさまざまなハードウェアを扱っているなかで、今回、新たなインテル製の第14世代CPUを搭載したボードにAxellの『ailia SDK（アイリア SDK）』を組み合わせたエッジAIソリューションとしてご提案させていただいています。インダストリアルの業界でもAIの分野に踏み出そうという動きが世界的にも多く見られています。なかでも特に注目を集めるエッジAIですが、導入にあたりネックとなるのはコストの問題。しかし、このインテル製の第14世代CPUの登場や、産業用アームロボットにおけるAIアクセレータ搭載CPUの浸透などに伴い、今後は徐々にコスト面も下がり、選択の幅も広がってくるのではないかと考えられます（営業部課長・上田大輔さん）」

ダイトロン株式会社

エレクトロニクス業界の技術商社として、電子機器・部品から製造装置まで幅広く展開する「ダイトロン株式会社」。ブースでは遠隔監視や予知保全、生産管理といったソリューションをはじめ、ローカル5GやIoTデータ活用、通信モジュール/センサーといったデバイスなどを展示。AIによる業務効率化のためのサービスとして、AxellのAI DXアプリ「ailia DX Insight（アイリア DX インサイト）」を取り入れたサービスも紹介されていました。

「弊社のお客様からもAxellの『ailia DX Insight』は引きが強く、企業のAIを使ったDX推進に対する注目度の高さをあらためて感じています。もっとも注目されている機能は、文章検索機能。各企業が蓄積した週報やお客様情報、お問い合わせ内容といったデータアーカイブを探し出して資料化するのは、時間も手間もかかる作業でした。しかし、こうしたアプリを駆使することで、時短につながることはもちろん、新しいスタッフさんでも過去の情報をスムーズに扱えるという点で、業務効率につながると考えられているようです。また、インデックスのどこを参照したかを確認することができるので、営業的な観点での振り返りや“答え合わせ”に応用できるのも大きなポイントだと思います。ローカルLLMによるセキュアな点も評価されています（電子デバイス営業部・木田一伸さん）」

アロー・エレクトロニクス・ジャパン株式会社

アロー・エレクトロニクス・ジャパン株式会社は、米国コロラド州センテニアルを本拠地とするアロー・エレクトロニクス（Arrow Electronics, Inc.（NYSE:ARW）)が100％株式を所有する子会社で、1983年の創業以来、電子部品・半導体の販売やサービスの提供を筆頭に、産業・商用ユーザーに向けたエンタープライズ・コンピューティング・ソリューションなどを提供してきたグローバルディストリビュータです。

今回、同じグループ会社、株式会社チップワンストップが運営するブースの展示テーブルでは組み込み機器・IoT機器の他、エッジAI端末向けにAxellと協業で展開する「ailia for NXP」を実演。その幅広さを感じさせる展示内容でした。

「NXPのSoC/i.MX8M-PLUSを使ったVariscite社のSOM(System on Module)を取り扱ったことがキッカケでご縁がつながったAxellとは、AIを駆使したサービスの開発という観点でとても心強いパートナーだと思っています。今回の展示している協業製品も、IoTの分野で浸透してきた組込み機器に搭載されているSoC/i.MX8M-PLUSのNPUを活用し、AIのサポートも含めたエッジ端末を売り込めるのでは、というところからスタートした製品です。これまで具体的なAI機能を搭載したプロダクトまではタッチできていなかった為、AIを駆使したアプリの展開も含め、まさにこれから注力していく分野です。今後は物流や監視カメラ、エッジAI端末分野へのサービス提供などにも注力していく予定です。（プロダクトマーケティング部・土佐哲也さん）」

岡谷エレクトロニクス株式会社

創業350余年の歴史を持つ商社「岡谷鋼機」を母体に持つ、情報・電機部門の中核を構成する技術商社「岡谷エレクトロニクス株式会社」。大手IT企業の代理店として長年培ってきた経験を活かしながら、ビジネスの課題解決に向けた提案を幅広く行っています。ブースではIT企業各社の製品・サービスの紹介をはじめ、AxellのAI DXアプリ「ailia DX Insight」についても実演形式の展示が行われていました。

「当社は半導体大手企業の販売代理店業務をメインに担当しており、AIやソリューションといった付加価値をパッケージングした提案なども行っています。そのなかで、AxellとはAIを駆使してお客様がビジネスで抱える課題解決のためのサービスの構築などを通じてご一緒してきました。AxellはAIに対する知見が深く、困ったことがあればともに解決策を模索してくれる強力なパートナーだと思っています。今回のイベントで、はじめてAI DXのアプリケーション『ailia DX Insight』をご紹介させていただいているのですが、多くの機能を搭載したアプリはワンストップでビジネスの課題解決ができるうえに、プラスアルファの利便性をご提供することにもつながります。AIを駆使したDXが注目される昨今、幅広いニーズをカバーできるDXアプリというのは、非常に有用なのではないかと感じています（テクノロジー本部・近藤知弥さん）」